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 故障中のパソコンが空気を読んだのか、どうにか立ち上がったので。

 ガタケット106に参加された方、お疲れ様でした。また、お手にとって下さった方、ありがとうございました!
 ちなみに映画もあったし『凛×カイ』ないか聞かれるかな?と思ったんですが、それはなく……代わりにPOPに『ざわ…ざわ…』の切り文字を入れてたせいか(でもPOPより表紙をジーッと見てる人も結構いたから、周りがフルカラーで華やかだった分、表紙のほとんどが黒一色摺りのうちの一角が目立ったのかもしれない)、メンズがよく足を止めてくださいました。ペーパーの内容なら、まだ食当たりまで行かないと思いたいけど……
 それから、サイトの方をいじれないので、先にこちらで。
 猟奇のヤツは、お取り置きの1部を除き、今回で完売いたしました。ありがとうございました!

 高河ゆんさんの原画展は、もっと早く外出すればよかったと後悔(スペース設営後、10分くらいしか見てる時間なかった)。
 ただカラー原稿については、雰囲気からなんとなく『今もアナログで彩色されてるのかな?』と、思ってたんですが、CGなんだそうで。モノクロの生原稿は最初の2、3ページ分しか見れませんでしたが、なんか指定がすごい。そして、ベタがなんかムラになってる箇所があって、ちょっと意外な気がしたんですが、トークライブで『綺麗に刷ってもらってナンボですから』と言われているのを聞いて、何となく納得。

 トークライブは高河ゆんさんの他にゲストで峰倉かずやさんがいらっしゃって、すごい顔ぶれ。館内放送で流されてたんですが、人のざわめきの方を耳が拾ってしまって、あんまり聞き取れなかったのが残念。
 
 帰ってきてからやんまがを探して歩いて(今回発売が土曜だったのでなかなか見つからない)読んだんですが、
話が進むのは来週あたりかな?という感じなので、『続きを読む』は今回のペーパーの割としょうもない、ちょっとしたお話。


 ざれごと。


「映画、盛況だそうじゃねぇか。まぁ飲め飲め」
 ざわつく居酒屋。
 その店内の一番隅の席。
妙に親しげにカイジの肩を勢いよく叩き、痛みとその態度に面食らうカイジのグラスにビールを注ぐのは、その映画で出番のなかった男……遠藤勇次である。
 おいしい部分は全部遠藤金融の、ある意味その辺の男よりずっと男前な『女』社長に掻っ攫われ、屋形船の屋根の上で「そんなぁ~えんどうさぁん」と情けない声を上げたカイジより、ずっと気の毒な男であった。
 自分の出番がなかったと、いじけていてもおかしくはなさそうだが、それでも自分と同じ名字の人間にカイジがやり込められたのが愉快だったのか、遠藤はえらくご満悦である。
 引き際も鮮やかに姿をくらました女社長凛子とは、あれ以来、一度も遭遇すらしない……なのに、それとは対照的に、勇次の方には新宿をぶらついていたら、ばったり出くわした。
 奢ってやると言われ、映画では出番のなかった遠藤に奢らなきゃならないのはむしろ自分じゃないか?と思いつつも、なけなしのギャラはパチンコ、パチスロ等、しょぼい博打に溶けて消え……きっと映画ヒットのお祝いのつもりなんだろうし、年上の人間のいうことは聞くものだと、カイジは自分を納得させて素直にご馳走になることにする。
 そして、今……この状態である。
――俺がひでぇ目にあったの、そんなに露骨に喜ばなくったっていいじゃねぇか
 カーッと冷たいビールをあおり、頬をほのかに赤く染めながらも、カイジはなんとなく面白くない。
年齢は40一歩手前……自分の姉より年上の大人の女性だ。だがそんなもの気にならないほど、カイジが出会った女性の中では一番綺麗だった。女神にすら見えた……でも、女って怖い。
――遠藤よりアコギな計算じゃねぇか……しかもベンツの修理代って……
後から思えば台本上のこと……なのだが、思い出すと涙が込み上げてくる。
そんなカイジの体が、不意にズシリと重くなった。
遠藤がカイジに覆いかぶさるように肩を抱き、こそっと耳打ちする。
「で?一発……は無理でも、あの別嬪さんと、ちゅーの一つや二つぐれぇはやったんだろうな?」
 酔いとは別の火照りに襲われ、カイジの顔がみるみる赤くなり……うつむく。
 絶世の美女に見えたあの瞬間、口説こうとしたあの瞬間に、それはもうこれ以上ないタイミングで、盛られた薬が効いたのだ。できようはずもない。
――あれか?女の人に『39歳』を強調したのがいけなかったのか?しかもトイレで。いやでも、トイレはともかく、あんなに美人なら関係ねぇだろ……
 カイジにのみ台本は与えられていなかったため、彼のリアクションのみ芝居ではない。
「なんだ、ホントにできなかったのか。全部持ってかれたんだから、ついでに童貞ももらってもらえばよかったのになぁ」
 恋愛対象的な意味で女を口説いたことのないカイジが一人反省会で青褪めた頃、呆れ半分の口調ながらさも嬉しそうに遠藤が笑う。
――オヤジってどうしてこうなんだよっ……ああ~っ、もうっ!俺が童貞かどうかなんて、どうだっていいだろっ!
 図星を刺されたこともあり、本気で憤慨しかけたところで、体が軽くなる。
 カイジの肩から、回していた腕を外し、遠藤はタバコに火をつけた。
 深く吐き出される紫煙の匂いは、ひどく久しぶりに思え……隣にいるのは本当に遠藤なのだと、なぜか改めて感じた。
「まぁアレだ。映画の評判が良くて、第二弾が作られたとしてだな、あの別嬪さんのスケジュールが合わなくて、遠藤金融の社長が何事もなかったように俺にシフトしたとしても、俺はおまえの口から、あのこっぱずかしいセリフを聞かされなくて済むわけだな」
「……なんだよ、こっぱずかしいセリフって」
「だから、くたばるまでビール……いや、なんでもない」
 カウンターの向こうの店員が『ビール』の単語に反応して振り向いたが、オーダーでないと悟り、また自分の仕事に戻る。
 ほとんどアルコールが顔に出なかった遠藤の頬に、わずかながら朱が注した気がした。どことなく照れているようにも見える。
 カイジは一瞬キョトンとし、しばらくのち、ククッとノドを鳴らして笑った。
 自分のための言葉でなくなったことに、拗ねてるのだ、この男は。いい大人の……オヤジのクセに。
 むっつり黙り込む遠藤の、空になったグラスに、カイジはビールを注いだ。
「今度は俺が奢るよ、遠藤さん。地下なんかじゃなくて、地上で旨いビールをさ。ただしギャンブルで勝ったらな」
「勝ったらじゃなくて、まっとうに働いて、約束どおり給料日に奢れ、このバカっ」
 そして二人の夜は更けてゆく……



ごあいさつ。

 マンガ世界の方で、劇場版カイジをカイジ本人主演でやったら?風なパラレル……になるんでしょうか?(ドッキリ風にカイジのところだけ隠し撮りされてたりとか)
 マンガだとその辺が多少アバウトでも、こういうパロディ系はまとまるような気がするので、絵の描ける人がものすごいうらやましかったりするんですが、こればっかりは、まぁしょうがないです。
なんにせよ、お粗末さまでございました。

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